大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(ラ)226号 判決

記録によれば、抵当権実行のため債権者川崎市信用金庫、債務者荻野建工株式会社、債務者兼所有者抗告人間の横浜地方裁判所昭和二七年(ケ)第四〇号不動産任意競売事件において、同裁判所は同年四月二日(イ)川崎市渡田新町一丁目六六四番、家屋番号同町一七一番、一、木造亜鉛葺平屋居宅建坪一七坪六合四勺及び(ロ)同市京町一丁目一五五番、家屋番号同町二〇一番の三、一、木造亜鉛葺平家居宅建坪二九坪につき競売手続開始決定をなし、その後手続を進行したのであるが、従来抗告人に対して競売期日の通知をなすにあたつては、通知書に右(イ)(ロ)の建物の最低競売価額の合計額を最低競売価額として表示してきたのに(尤も、頭初の数囘の通知書には最低競売価額の表示はない。)昭和三一年四月六日午前一〇時の競売期日の通知に限つて、その通知書に最低競売価額として(イ)の建物のそれをそのまま表示したのであつて、右の経過からすれば、(イ)の建物についての昭和三一年四月六日午前一〇時の競売期日が抗告人に通知せられたにとどまり、(ロ)の建物についての同期日の通知はなかつたと見る外ないのに拘らず、右日時に(ロ)の建物についての競売期日が開かれ、最高価競買人が定められ、同裁判所は同年四月一一日競落許可決定を言い渡したものであることが認められる。(なお右決定の物件目録中地番の「一一五番」は「一五五番」の誤記と認める。)

ところで、競売期日は競売期日の公告に掲げられるものであり、これを特に利害関係人に通知しなくても、利害関係人としてはこれを知り得る機会をもつわけであるが、競売期日は直接利害関係人の利害に影響するところが大であるから競売法第二七条第二項はこれを利害関係人に通知することとしてその保護をはかつたのであつて、利害関係人に対し競売期日の通知をしないときは、競落はこれを許可すべきものでない。(大審院大正八年(ク)第五八号同年四月二四日決定参照)従つて原決定は結局競売法第三二条によつて準用される民事訴訟法第六七二条第一号、第六八一条第二項によつて抗告の理由を具備するものであり、取消を免れない。

(薄根 奥野 古原)

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